タイトル「サイバー正月」 キーワード「正月」と「イモ」 <登場人物> じいちゃん(主人公) ばあさん 健太  息子 好子  息子の嫁 一翔(カケル)  孫(男の子) プッピーくん  じいちゃんが作ったロボット <シナリオ>  とある田舎の一軒家。  おじいさんとおばあさんが住んでいる。  おじいさんが居間で何かをせっせと作っている。 ばあさん  「おじいさんや、そろそろ健太達が帰ってくる頃じゃろ」 じいちゃん 「おお、もうそんな時間か!?        あともうちょっとなんじゃがのー!」  ガラッと勢いよく玄関の開く音がする 一翔    「じいちゃん! ばあちゃん! ただいま!!」 ばあさん  「おお、カケルや、おかえり。        元気にしとったか?」 一翔    「うん!」 健太    「かあさん、ただいま」 好子    「こんにちは、おかあさん」 ばあさん  「おお、健太、好子さん、おかえり。        遠路ご苦労じゃったな。        さあさ、寒いけ、中に上がりな」 好子    「お邪魔します」 一翔    「じいちゃん! ただいま!!」 じいちゃん 「おお、カケルか!        ちょっと見ない間に、また大きくなったの!」  じいちゃんの後ろに置いてあるロボットを見つける 一翔    「おおお!! じいちゃん! なにこれ!?        ロボットじゃん! 超デケー!」 じいちゃん 「わっはっは、どうだ! スゴイじゃろ!」 健太    「オヤジ、なんだよ、これ?        作ったのか?」 じいちゃん 「そうじゃ!        本に付いてるやつがあるじゃろ?        あれをコツコツ集めて作ったんじゃ!」 健太    「あー、去年の正月に言ってたやつか。        ずっとやってたんだ」 一翔    「じいちゃん! これ動くの?」 じいちゃん 「さっき出来あがったばっかりじゃ! たぶん動くぞ!」 一翔    「動かしてみて!」 じいちゃん 「よーし、じゃあ電源を入れてみるぞ」  ロボットのスイッチを入れるおじいさん。  電子音が鳴る プッピー  「こんにちは、初めまして!        今宵はあなたとサイバーなひとときを        プッピーでーす」 じいちゃん 「ヒッピーじゃとよ」 健太    「プッピーだよ」 (しばしやりとり)  突然なんか「グゥゥ〜〜」という音が鳴る プッピー  「プッピーお腹が空きました        そういえば、今日はお正月ですよね        みなさんは、もうおせちを食べましたか?」 一翔    「まだだよ!」 プッピー  「ではプッピーと一緒に『サイバーおせち』を食べませんか?」 一翔    「なにそれ? かっこいい! たべる!」 健太    「なんだよ、『サイバーおせち』って…」 プッピー  「私のお腹にお金を入れてください        すると色々な食べ物カードが出てきます        全てのカードが揃うと激レア『サイバーおせち』カードがゲットできます」 健太    「コンプガチャじゃねーかよ」 一翔    「やる!!」 健太    「ダメだよ! こんなしょーもないことにお金使うんじゃない!」 一翔    「やる! やるの! やりたい、やりたい、やりたいー!!!」 健太    「ダメったらダメ!」 一翔    「うわーん! じいちゃん! やりたいよおーー!!!」 じいちゃん 「こら健太! 正月なんじゃからケチケチするな!        よし、いいぞ!        ほれ、じいちゃんがお年玉をやるから、これでやりなさい」 一翔    「ダメ! お年玉はおもちゃ買うやつだから使っちゃダメなの!        うわーん!」 じいちゃん 「お、おう、そ、そうか        よし、じゃあ、このじいちゃんの小遣いでやりなさい」 一翔    「うん、やったあ!」 健太    「もう、甘いなぁ、オヤジは…」  お金をプッピーに入れる  仰々しい音が流れる プッピー  「レア『サイバーかまぼこ』カードをゲット!」 一翔    「やったあ!」 じいちゃん 「おお、すごいな、一翔!」 健太    「うわぁ……」 一翔    「もう一回やる!」  お金をプッピーに入れる  仰々しい音が流れる プッピー  「レア『サイバー数の子』カードをゲット!」 一翔    「新しいの出てきたよ!        もう一回!」  お金をプッピーに入れる  仰々しい音が流れる プッピー  「ノーマル『サイバーイモ』カードをゲット!」 一翔    「なんかイモ出てきたよ?」 健太    「イモ? 里芋のことかな?」 一翔    「もう一回やる!」  お金をプッピーに入れる  仰々しい音が流れる プッピー  「レア『サイバー里芋』カードをゲット!」 一翔    「里芋だって!」 健太    「あれ? じゃあさっきのイモってなんだ?        ゴミか?」 一翔    「もう一回!」  お金をプッピーに入れる  仰々しい音が流れる プッピー  「ノーマル『サイバーイモ』カードをゲット!」 一翔    「またイモだ」 健太    「どうやらゴミカードらしいな」 一翔    「どんどんやる」  お金をプッピーに入れる プッピー  「レア『サイバーはんぺん』カードをゲット!」  お金をプッピーに入れる プッピー  「レア『サイバーかまぼこ』カードをゲット!」  お金をプッピーに入れる プッピー  「ノーマル『サイバーイモ』カードをゲット!」  お金をプッピーに入れる プッピー  「ノーマル『サイバーイモ』カードをゲット!」  お金をプッピーに入れる プッピー  「レア『サイバーローストビーフ』カードをゲット!」 一翔    「サイバーローストビーフだって!」 健太    「お、ちょっとかっこ良いな」  お金をプッピーに入れる  今までと違う音楽が流れる プッピー  「スーパーレア『サイバーちょろぎ』カードをゲット!」 一翔    「うわー、このカード、キラキラしてる!        けど芋虫みたいなの、気持ち悪い!」 健太    「なんだよ、ちょろぎって?」 じいちゃん 「なんじゃ、ちょろぎを知らんのか?」 一翔    「これ、全部でいくつあるの?」 プッピー  「『サイバーおせち』カードをゲットするには、あと『サイバー黒豆』カードが必要です」 一翔    「あと1枚だ!!」  お金をプッピーに入れる プッピー  「ノーマル『サイバーイモ』カードをゲット!」  お金をプッピーに入れる プッピー  「レア『サイバー里芋』カードをゲット!」  お金をプッピーに入れる プッピー  「ノーマル『サイバーイモ』カードをゲット!」  お金をプッピーに入れる プッピー  「ノーマル『サイバーイモ』カードをゲット!」  お金をプッピーに入れる プッピー  「レア『サイバーはんぺん』カードをゲット!」  お金をプッピーに入れる プッピー  「ノーマル『サイバーイモ』カードをゲット!」  しばらくして… プッピー  「ノーマル『サイバーイモ』カードをゲット!」 一翔    「イモばっかり!!」 じいちゃん 「なかなか黒豆がでんのー…」 健太    「もう一翔もオヤジも、やめろって        お金もったいないよ」 じいちゃん 「なに言っとるのじゃ、あと黒豆が出たら完成じゃろうが!        ここまでやって『サイバーおせち』カードを作らんでどうするんじゃ!」 健太    「あーあ、完全に運営のワナにはまっちゃってるよ…」 一翔    「じいちゃん! 『サイバーおせち』食べたい!」 じいちゃん 「大丈夫じゃ! じいちゃんは今年は運がいっぱいついとるからの!        サイバー黒豆カード出すぞ!」  お金をプッピーに入れる プッピー  「ノーマル『サイバーイモ』カードをゲット!」 じいちゃん 「なんのなんの!」  お金をプッピーに入れる プッピー  「ノーマル『サイバーイモ』カードをゲット!」 プッピー  「ノーマル『サイバーイモ』カードをゲット!」 プッピー  「ノーマル『サイバーイモ』カードをゲット!」 プッピー  「ノーマル『サイバーイモ』カードをゲット!」 プッピー  「ノーマル『サイバーイモ』カードをゲット!」 じいちゃん 「ええ加減にせえよ! このクソヒッピーがぁ!!」  じいちゃん、キレてロボットを足蹴りにする  ロボットは勢いよく後方に吹き飛ぶ 健太    「うわー! オヤジ何やってんだよ!」 プッピー  「サイバー攻撃発生! サイバー攻撃発生!」 健太    「リアル攻撃だろ」  ロボットから大量のカードが手裏剣のように放出される 一翔    「なんかいっぱいカードが出てきた!        うわ! くさい!」 健太    「オエェ…、なんだよ、このくさいカードは…        レア『サイバーウンコ』カード?        なにこれ、ちょっとオヤジ止めてくれよ!」 じいちゃん 「ゲホゲホ… ワシにも分からん!」 一翔    「パパ、ウンコ臭いよー!」  台所でおせちの準備をしている好子とばあさん 好子    「なんだか居間の方がずいぶん騒がしいですね」 ばあさん  「おじいさん、一翔のために去年から一生懸命『幸運を呼ぶロボット』っていうのを作っとったけの。        一翔と一緒になってはしゃいどるんじゃろ」 好子    「へぇ、幸運を呼ぶロボットですかー        幸運、幸運、こううん、こううんこうんこううんこ…」 ばあさん  「好子さん、どうしたん?」 好子    「え? あ、いえ! なんでも、オホホホホ…」 おしまい